カラーストーン

カラーストーンの魅力
今日、宝石と言えば無色透明のダイヤモンドを思い浮かべる方が多いと思います。しかし、古代の人々の心をとらえたのは、美しい色をもつカラーストーンでした。
例えば、紀元前4000年頃にはすでに、最古の宝石市場であるバビロンにおいて、エメラルドが取引されていたと言われています。しかし当時は、エメラルドは「緑色の石」を指す総称であり、実際にはエメラルド以外の緑色石が混ざっていたに違いありません。また、古代エジプト文明や古代メキシコ文明において、空青色のトルコ石が盛んに用いられていたことも広く知られています。このように、高度な研磨加工技術をもたなかった時代には、地球から生まれた自然のままの美しい色こそが宝石の生命であり、他には見られない魅力であったと考えられます。

色ごとに代表的な宝石を紹介します。

  • 赤系

    ルビー
    ルビー ルビーとサファイアが「コランダム」という同じ鉱物であることは今日広く知られるようになりました。歴史に伝えられるルビーの赤は、燃え上がる「情熱」や「深い愛」に結びつくと信じられ、不老長寿の力を授けるお守りにされていました。
    7月の誕生石とともに結婚40年目の「ルビー婚」の贈り物にも使われています。
    アルマンディン/ロードライトガーネット
    アルマンディン/ロードライトガーネット ギリシャ、ローマ時代から身を守る護符として使われていたガーネットは、特に十字軍の兵士が戦傷を防ぐために盛んに身につけたと言われています。ガーネットは色も特性も様々な種類が存在するグループ名です。原石が赤いザクロの実がたくさん集まっているように見えるため和名では「ざくろ石」と呼ばれています。
    1月の誕生石とともに18年目の結婚記念日の贈り物に使われています。
    ルベライト(レッドトルマリン)
    ルベライト(レッドトルマリン) トルマリンは無色から黒色まで他に類を見ないほど色が豊富な宝石で、同じ色と言ってもひとつひとつの色合いが微妙に異なります。中でも赤いトルマリンは「ルベライト」と呼ばれ、ルビーに勝るとも劣らない美しさです。
    また、ひとつの結晶でふたつ以上の色を示す「パーティカラー」、西瓜のように中心が赤系で外周が緑系の「ウォーターメロン」、各色に「キャッツアイ」も見られ大変バラエティーに富んでいます。強く擦ったりすると帯電して埃を吸い寄せることから和名で「電気石」とも呼ばれます。
    トルマリンはオパールと並んで10月の誕生石としても知られています。
  • ピンク系

    パパラチャサファイア
    パパラチャサファイア 「コランダム」という鉱物は様々な美しい色が現れますが、その中で赤色だけをルビー、その他は色の名前を冠してサファイアと呼びます。(ブルーサファイア、ピンクサファイアなど)
    中でもオレンジ色とピンク色の両方の色が混在するサファイアは、 蓮の花の色に似ている事からシンハラ語の蓮の花を意味する「パパラチャ」と呼ばれ、珍重されています。
    サファイアは9月の誕生石としても知られています。
    クンツァイト
    クンツァイト 1879年にアメリカではじめて発見され、この国の鉱物学者で宝石の研究者としても知られるクンツ博士に因んでクンツァイトと名づけられました。
    グリーンやイエローなどの変種もありますが、宝石としてはライラックピンクのものが最もポピュラーです。優しい色合いと手頃な価格で、若い女性にも人気があります。
    ローズクォーツ
    ローズクォーツ 水晶はめのうと同じく「石英」という鉱物で、どちらも古くから宝石として愛好されています。水晶はさまざまな色がありますが、その中でピンク色のものはローズクォーツと呼ばれています。6条もしくは4条のアステリズム(スター)を示す「スタークォーツ」がしばしば見られます。
  • 紫系

    アメシスト
    アメシスト 紫色の水晶はアメシストと呼ばれています。特に日本では昔から紫が高貴な色とされていたためか、多くの人にアメシストが 好まれているようです。
    2月の誕生石としても知られています。
    スギライト
    スギライト スギライトは日本の鉱物学者「杉健一」博士の名に由来し、日本人の名前が入った恐らく唯一の宝石です。不透明石なのでカボションカットにすると鮮やかな紫色が引き立ちます。3大ヒーリングストーンの一つとしても知られています。
  • ブルー系

    ブルーサファイア
    ブルーサファイア ブルーのサファイアは「誠実」や「清浄」を象徴すると言われています。中世のヨーロッパでは特に聖職者の印とされ、ローマ法王をはじめすべての枢機卿の右手に、大粒のサファイアを埋め込んだ指輪がはめられていたと伝えられています。サファイアの名はラテン語の「Sapphirus(青色の意)」に由来しますが、近年ではブルー以外のファンシーカラーサファイアのジュエリーが数多くつくられています。
    9月の誕生石としても知られています。
    タンザナイト(ブルーゾイサイト)
    タンザナイト(ブルーゾイサイト) かつてゾイサイトは彫刻などに使われる不透明種だけでしたが、1967年アフリカのタンザニアでサファイアブルーに少し紫がかった透明の新種「ブルーゾイサイト」が発見されました。20世紀に入って2番目に発見されたこの新種の鉱物は、産出地から「タンザナイト」と命名され話題になりました。最近はトルコ石やラピスラズリと並んで12月の誕生石として知られています。
    1990年には緑色の透明な新種「グリーンゾイサイト」も発見されています。
    パライバトルマリン
    パライバトルマリン 1980年代に発見されたトルマリンはネオンブルーと呼ばれる独特の色彩で人々を魅了し、最初に発見されたブラジルのパライバ州に因んで「パライバトルマリン」と称されました。近年アフリカからも産出され、日本でも2006年5月1日よりパライバトルマリンの名称は、産地を特定するものでなく「銅イオンによりブルー~グリーンを呈するトルマリン」に対して称される別名になりました。
    トルマリンはオパールと並んで10月の誕生石としても知られています。
    アクアマリン
    アクアマリン その透明で澄んだブルーがまさに「海の水」を思わせるアクアマリン。美しい海の精の宝物が海底から浜辺に打ち上げられて宝石になったという、ロマンチックな神話が伝えられています。ブラジルのサンタマリア鉱山から濃いブルーが産出され「サンタマリア」と一般的に呼ばれています。その後アフリカで採れる同じように美しいブルーのアクアマリンは「サンタマリア・アフリカーナ」のコマーシャルネームで呼ばれています。
    アクアマリンは珊瑚(さんご)と並んで3月の誕生石としても知られています。
    ブルートパーズ
    ブルートパーズ 最もポピュラーなトパーズの変種として知られているブルートパーズ。以前はアクアマリンの代用品程度にしか考えられていませんでしたが、今では大振りなサイズと深いブルーに人気があります。
    トパーズはシトリンと並んで11月の誕生石としても知られています。
    アパタイト
    アパタイト アパタイトは半透明から透明で様々な種類や色があります。和名を燐灰石(りんかいせき)と言い、ブルーアパタイトが最も代表的です。そのテリ立ち(輝き)が強い透明感あふれるブルーはパライバトルマリンに引けをとりません。
    トルコ石
    トルコ石 主に青色、青緑色の不透明の石です。かつてはペルシャ(イラン)やシナイ半島(エジプト)で産出し、トルコ経由でヨーロッパに持ち込まれたのが名前の由来です。「ターコイズ」とも呼ばれます。現在は主にイラン、アメリカ、中国で産出されています。
    トルコ石はラピスラズリやタンザナイトと並んで12月の誕生石としても知られています。
  • グリーン系

    エメラルド
    エメラルド エメラルドは紀元前に歴史上最古の宝石市場とされるバビロンで取引されていたと言われ、古くから女神の御神体として崇められていました。
    またエジプトにはクレオパトラ女王が所有していたといわれるエメラルド鉱山の遺跡が発見されており、エメラルドにまつわる逸話は数多く存在します。
    エメラルドはひすいと並んで5月の誕生石としても知られています。
    ひすい(ジェダイト)
    ひすい(ジェダイト) 英語のジェード(Jade)は緑色の半透明石をまとめて指す言葉なので誤解されがちですが、ひすいには「硬玉(ジェダイト)」と「軟玉(ネフライト)」があり、これらは別種の鉱物で宝石としての価値も大きく異なります。東洋で古くから愛され続けている宝石のひすいはジェダイトで「本翡翠」とも呼ばれます。また、ジェダイトの産地と思われがちな中国では採れず、主にミャンマーで産出されます。
    中でも透き通るような半透明で、かつ深く澄んだ緑色のジェダイトは「琅かん(ろうかん)」と呼ばれ、希少性が高く珍重されています。他にも「ラベンダーひすい」と呼ばれる薄紫色のものや白、黒、赤、黄、オレンジのひすいも存在します。
    ひすいはエメラルドと並んで5月の誕生石としても知られています。
    デマントイドガーネット
    デマントイドガーネット ガーネットの中で最も稀産と言われるデマントイドガーネットは、以前からコレクターにとって注目の的でした。その独特な味わいある緑色の中に浮かび上る虹色のファイヤーは、この宝石に一層の華やかさを与えています。
    特にロシア産のデマントイドガーネットの内部には「ホーステールインクルージョン」と呼ばれる馬の尻尾のような内包物が顕著に見られます。
    ガーネットは1月の誕生石として知られています。
    ペリドット
    ペリドット オリーブグリーンから明るいライムグリーンにいたる色合いと、オイリーな光沢が特徴のペリドットは「オリビン」とも呼ばれていました。「イブニング・エメラルド」の異名を持つように、ほの暗い照明下では驚くほど高い輝きを発します。
    ペリドットはサードオニックスと並んで8月の誕生石としても知られています。
  • イエロー/オレンジ系

    シトリン
    シトリン アメシストと共に黄色のシトリンが水晶の中でよく知られています。俗に「アメトリン」と呼ばれるパーティカラードクォーツは、部分的に紫色と黄色が現れたものです。
    シトリンはトパーズと並んで11月の誕生石としても知られています。
    トパーズ(インペリアルトパーズ)
    トパーズ(インペリアルトパーズ) トパーズは主成分として含まれる「フッ素」と「水酸基」の量により、「Fタイプ」と「OHタイプ」に大別されます。
    Fタイプにはブルー、ホワイト、ブラウンなどがありますが、OHタイプでやや赤みを帯びた黄色のトパーズは希少なため、別名「インペリアルトパーズ」と呼ばれています。
    トパーズはシトリンと並んで11月の誕生石としても知られています。
    スペサルティンガーネット
    スペサルティンガーネット スペサルティンガーネットは1990年代以降にその美しいオレンジ色が注目され「マンダリンガーネット」のコマーシャルネームで親しまれています。
    ガーネットは1月の誕生石としても知られています。
  • 光学効果石

    光の現象が原因となり現れる特殊な効果を「光学効果」と呼び、カラーストーンのもう一つの味わいとして尊重されています。

    スタールビー・スターサファイア(スター効果)
    スタールビー・スターサファイア(スター効果、アステリズム、星彩効果) 「アステリズム」と称されるスター効果は、針状の包有物(インクルージョン)が細かく入った宝石を山高の「カボションカット」にしたときに、光の反射で星のような6条のラインが現れます。ルビー以外にも同じコランダムに属するサファイアやクォーツ(水晶)にも見られます。
    キャッツアイ(キャッツアイ効果、シャトヤンシー、変彩効果)
    キャッツアイ(キャッツアイ効果、シャトヤンシー、変彩効果) キャッツアイとは「シャトヤンシー」という光の効果を示す宝石の総称です。この効果は宝石内部に密集して存在する平行状のインクルージョンなどによって引き起こされ、内部反射で一条の光が現れます。
    一般的にキャッツアイは、美しく希少性の高い「クリソベリルキャッツアイ」を指しますが、この他にもトルマリン、アクアマリン、エメラルド、オパールなどにも見られます。
    オパール(プレイ・オブ・カラー、遊色効果)
    オパール(プレイ・オブ・カラー、遊色効果) オパールに見られる七色の効果のことで、石をわずかに傾けると光のきらめきが見られます。 これは他の宝石には見られない独特の光の効果であり、オパールの最大の魅力です。美意識の違いとして大変興味深いのは、昔から西洋では華やかな透明石のカラーストーンが尊重され、一方東洋ではヒスイやオパールに代表される、落ち着いた深い色合いの半透明石や不透明石が愛されていました。日本人はオパールを最も好む民族と言われています。ブラックオパールの鮮やかに煌く赤・緑・青が入り混じった「遊色効果」は、夏空に打ち上げられた花火のように幻想的な美しさです。
    トルマリンと並んで10月の誕生石としても知られています。
    アレキサンドライト(カラー・チェンジ、変色性)
    アレキサンドライト(カラー・チェンジ、変色性) 「クリソベリル」に属するアレキサンドライトは、発見当時に君臨していたロシア皇帝「アレキサンドル2世」に因んで命名されたと言われ、光源の種類で自然光下ではグリーン系、白熱光下で赤系に変色性を示します。この美しさと明瞭な色変化は希少性が高く、最も高価な宝石のうちのひとつです。変色性を示し、かつシャトヤンシーが現れる「アレキサンドライト・キャッツアイ」はさらに希少性の高い宝石です。他にもサファイアやガーネットにもカラーチェンジタイプが存在します。

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